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働く人 2022.10.17 Update

竹田電気の社長に聞いてみた!「働く」ってどういうことだろう?

こんにちは!北海道大学2年生のふみかです。

浦幌町には縁があり、去年はハハハホステルのヘルパーとして働いていました。

4月から半年以上が経ち、大学2年生も中盤。”働く”ということにだんだん近づいてきています。

でも、”働く”ってどういうことだろう?企業に勤めて稼ぐ、ってどういうことだろう?私には、まだまだイメージが湧きません。

”働く”体験をすることや、”働く”人のお話を直接お聞きすることで、少しずつこれからの準備をしていきたい…!ここ浦幌で、なかなか関わる機会のない電気設備工事のお仕事を体験してみることに!

今回、お伺いしたのは、浦幌町のインフラを担う竹田電気。

今日は町の街灯をLEDに交換する作業があるということで、その見学に行ってきました!

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朝の9時。街頭工事を行っていると聞き、向かったのは一直線に伸びる町の道路。今日はこの道路にある22個の街頭を交換していくそうです。

作業を行うのは、3人の男性。ベテランも若手も一緒になって作業します。竹田電気ではチームを組んで作業することがほとんどだとか。そのチームワーク力は、阿吽の呼吸で進んでいく作業に表れていました。

取り付け作業の様子。高い…!

1人がLEDランプを持って高所作業車に乗車。地上では安定器(電流を一定の値に保ち、発光・明かりの安定化に必要な装置…!)の交換を行います。1つの街灯を交換するのにかかる時間はわずか10分ほど。あっという間に作業が進んでいきました。

工事には資格が必要で、入社してから資格をとる方もいるのだとか。安全第一が最も大切なこの職業。簡単に見える作業も、危険と隣り合わせです。

茂みの中でなにをしているんだろう…?安定器の取り付けでした!

作業がひと段落すると、社員みなさんの団欒の時間。好きな飲み物を片手にほっと一息。

「この仕事は勤務時間がないからね。」とベテラン社員さんがひとこと。どういうことかと尋ねてみると、24時間昼夜問わず、電気の異常にはすぐに駆けつけるということでした。その姿は救急隊員さながら。町のインフラを支える大切な職業です。

そして3人とも口を揃えておっしゃっていたのは、「社長は口うるさくないからね。俺たちの好きなようにやらせてくれるんだよ。」ということ。それは一体どういうことだろう、と、次は社長のもとを訪ねることにしました。

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これから社長のもとへ!緊張…

竹田電気3代目社長の竹田悦郎さん。包み込むような優しい笑顔です

見学が終わり、会社に向かうと出迎えてくれたのは、3代目社長の竹田悦郎さん。

優しく出迎えてくださり、緊張もちょっぴりほどけました。
”働く”ってどういうこと?そんな思いを持つ大学2年生から、素朴な質問をぶつけていきます。

ーわたしはまだ大学生で、働く社会人になるというその階段を上がれるのかが不安です。竹田さんは、学生から社会人になるとき、どんなお気持ちでしたか?

「もう50年以上前の話だからねぇ(笑)。正直、あんまりなんにも考えていなかったかな。あまり堅くなりすぎなくても大丈夫。何とかなるよ。」

社長になって数十年。その竹田さんの言葉には不思議と説得力があり、なんだか安心。

ー竹田さんが働くなかで、大切にしていることや大切にしたほうがいいことを教えてください。

「そうだなあ。やっぱり大事なのは、自分の事だけを考えるのではなくて、周りの人たちへの気配りをするということかな。

これは社員にもいつも言っているんだけど、会社の中にごみが落ちていたとして、誰が掃除するの?って。『誰かがやる』ではなくて、『自分がやる』。見ていないようで、見ている人っていっぱいいるんだ。そういう小さな気配りができる社会人になってほしい。それが一番基本なんじゃないかな。」

社長さんという大きな役職でも、やっぱり小さなことから、積み重ねる。自分の行いはどうだろうと考えさせられました。

ー竹田さんは社員さんに対して、どんな想いを持っているのですか?

「みんなに楽しく生活してもらえればいいのかなって。
僕は前社長親の息子だから跡を継いでいる。親が社長じゃなかったら、こんな暮らしはない。僕とは違う環境で暮らしている社員がいっぱいいるわけだから、少しでも生活が楽になるようなことをしてあげたいっていう気持ちはあるね。
社長になったら、働いている人の家族のことも考えて、お給料を出すっていうのが一番の願望なんだ。
そして僕は現場の人間じゃない。現場のことはそれぞれの社員に任せているんだよね。」

自分の環境だけに満足するのではなく、周りの人のことも想う。そんな大きな社長の背中はとても頼もしく見えました。
そして、現場見学で社員さんからお聞きしたことがここでわかりました。現場のことは現場に任せる。ここにも社員さんが長く働きやすい環境がつくられているのだと思います。

ー最後に。わたしは浦幌のヒト、町並み、雰囲気が大好きなのですが、竹田さんから見る浦幌はどんな町ですか?

「昔は商店もお祭りごともいっぱいあった。人と人とのつながりが今より濃かった。
でも、今は閑散状態だよね。時代の流れで環境が変わるのは仕方がないことだし、当たりまえ。
でもね、環境が変わっても、人と人との関係を考える町でいてほしいんだ。お互いに関心がなくなっていくと、町の調和が崩れていくんじゃないかな。
浦幌って町並みがすごく綺麗なんだよね。お店はないけど。だから、若い人たちが浦幌に来て、今の時代にあったお店をしてほしいなあなんて思うよ。」

生まれも育ちも浦幌。町の変化を見てきている竹田さんは、町に対する希望も、しっかりと持っていました。

取材終わりに一枚。お互いに緊張もほどけた様子!

わたしの拙い質問にも、丁寧に考えて答えてくださった竹田さん。社長としての姿や、町をずっと作り続ける姿が、とても大きく見えました。

お話をお伺いする前は、”働く”ことへのイメージがなかなか湧きませんでした。竹田さんの言葉を聞いて、どんな職業でもまずは、「周りの人のことが考えられる人であること」。その大切さを深く感じました。

この記事を書いた人

この記事を書いた人谷郁果

谷郁果

2002年生まれ。札幌生まれ札幌育ち。大学の先輩のつながりで浦幌町・ハハハホステルのヘルパーとして滞在し、道東のあたたかさにどっぷりはまりました。まだまだ勉強中の道東の仲間に入りたい大学生。ジモトを知り、ジモトを好きになる、そんな学びのデザインをすることが好きです。

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