初めて見た海の世界。浦幌町の鮭漁に潜入しました!
こんにちは!北海道大学2年生のふみかです。
去年は浦幌町のハハハホステルのヘルパーとしてお世話になっていましたが、1年経って帰ってきました。
大学2年生になり、去年よりも”働く”ことを意識しながらの今回の浦幌滞在。
いろいろな業種や、働く人を知ることで、自分の将来についても少しずつ考えていきたい。
今回は、私たちの食を支える第一次産業のひとつ、漁業を覗いてきました!
見学させていただいたのは、七協水産。
浦幌町の港町である厚内地区にあり、鮭の定置網漁が主な事業内容です。
「海の豊かさを守り、地域社会と共に、漁業の未来に貢献します」を掲げ、持続可能な開発目標であるSDGsにも積極的に取り組んでいる会社です。
鮭の定置網漁を見学させていただけるということで、行ってきました!
ーー
時刻は午前2:30。アラームを止め、町の中心部から約20分の厚内漁港へ向かいます。
漁港が近づくにつれ、どきどきソワソワ。初めての乗船。緊張でいっぱいです。
厚内漁港に到着。出航は午前3:30。続々と漁師さんがやってきて、支度を始めます。
この日に案内してくださったのは、七協水産取締役の齋藤さん。
ヘルメットと救命胴衣を借り、今回乗船する船へ。
てきぱきと出航の準備をする漁師さんのそばで、どきどきしながら出航を待ちます。
七協水産では鮭定置網漁を主に行っています。
鮭定置網漁は回遊してくる鮭を網へ引き込んで漁獲する手法。鮭は十勝の中でも一番漁獲量が多く、古くから十勝の漁業を支えてきた魚です。
まだ暗い海へと繰り出していくのは、どこか孤独で不安。
船頭さんをはじめ、みなさんが優しく話しかけてくださったり、座る場所を用意してくださったり、緊張がちょっぴりほどけました。
いよいよ乗船!船を沖まで走らせること約30分。
ゆったりと穏やかに流れていた船の上の空気が、緊張感のあるものに変わります。最初のポイントへ到着したのです。
漁師さんがそれぞれ自分の持ち場へとつきます。作業としては網を引き上げ、かかった鮭を漁船に積み込むというシンプルなもの。
ですが、鍛え上げられた体の漁師さんが、網をわっせわっせと引き上げるその姿は、とても力強く迫力がありました。
かかっていた鮭を積み込む作業のドドドという音と振動に、思わずあっけにとられてしまいます。
そして驚くべきは、船の上の阿吽の呼吸。積み重ねられてきたチームワークと、個人個人で熟練されたプロの技、あっという間に漁が進んでいきました。
と、ここで、私が船酔いでダウン。
あとから、「こんな船で酔っていちゃまだまだだね~」と笑われてしまいました…笑
私が酔って船の後方で座り込んでいる中、鮭がどんどんあげられていきます。
安定しない船の上で機敏に動き回る姿、お互いに目くばせや気配で呼吸を合わせる姿、力強く網を引っ張り上げる姿、どの場面を切り取っても、「かっこいい…」という言葉しか出てきませんでした。
この日は全部で4か所の仕掛けをまわり、終了。港へ戻る頃には、朝日もすっかりのぼり、なんだか清々しい気分。
下船後、「ねえちゃん、船酔い大丈夫だったかい!」と船頭さんが明るく声をかけてくださり、私の船酔いも吹っ飛んでいきました。
港に帰って来ても、まだ漁は終わりません。オスとメスに分ける作業がすぐに始まりました。
目の前で大量の鮭が選別台の上に解き放たれ、6人がかりの手作業でえっさえっさと分別していきます。
オスとメスの違いを齋藤さんに尋ねてみました。
「オスはオスらしい顔で、メスはメスらしい顔なんだよ」
とのこと。言われてみればそう見えなくもないような…と戸惑っていると、そんな私を見て、
「メスは卵が入っているからお腹がふっくらと柔らかい。そしてオスのほうが脂ビレが大きくて、尾びれはくの字になっているんだよ」
と教えてくださいました。
素人の私はじっと見ないと、オスとメスの区別はなかなかできません。プロの手にかかると、
あっという間に選別作業が進んでいきます。
選別する人、選別したものを機械で運ぶ人、船の整備をする人、鮭の買い付けに来る人。
たくさんの人や車、機械が行き交い、港は大賑わい。どこにいればいいのかわからず、キョロキョロ。
そうしている間に、選別作業もあっという間に終了。魚も人も機械もいつの間にかどこへやら。
波の音が流れる、そんな落ち着いた港の姿に戻っていきました。
ーー
初めての午前2:30起き、初めての船、初めての漁、初めてだらけで不安と緊張でいっぱいでしたが、七協水産のみなさんの優しさのおかげで見学を終えることが出来ました。
いつも食卓に並ぶ魚たちは、こんなかっこいい漁師さんたちが一生懸命とっていたのだとなんだか感動。
船酔い対策をして、次こそは網を引いてみたい……!なんて思っています。
七協水産のみなさん、ありがとうございました!
この記事を書いた人
この記事を書いた人谷郁果
谷郁果
2002年生まれ。札幌生まれ札幌育ち。大学の先輩のつながりで浦幌町・ハハハホステルのヘルパーとして滞在し、道東のあたたかさにどっぷりはまりました。まだまだ勉強中の道東の仲間に入りたい大学生。ジモトを知り、ジモトを好きになる、そんな学びのデザインをすることが好きです。