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イベント 2022.12.17 Update

【ツアーレポート】林業界の最先端をいく北村林業ツアーを開催しました!

こんにちは! つつうらうら事務局の風子です。
10月30日〜31日で「林業界の最先端をいく北村林業ツアー」を開催いたしました。

一泊二日のツアーは初日に浦幌入りをし、二日目に一日かけてどっぷり北村林業さんを知ることができるスケジュールでした。
内容は、午前に造材部門を、午後に造林部門を体験・見学するというもの。
造材というのは木を切り、木材を生産すること。造林は森林を作ること。
森林の循環サイクルと北村林業でのお仕事について、まるっと見ることができました〜!

今回のツアー参加者は、定員MAX人数の5人!道内各地から浦幌町に足を運んでくださり、大盛況で開催することができました。
この記事ではツアー二日目の中身をレポートいたします。

二日目スタート!

6:15。北村林業株式会社の社屋前に集合。まだ夜が明けきっていないくらいの明るさです。

まずはラジオ体操から。

ここで行われているのはラジオ体操と朝礼。全体で1日のスケジュールや安全確認などを毎日行っているんだそうです。
その後、部門ごとにミーティングを行い、いよいよそれぞれの現場へと出発…!

ラジオ体操後の朝礼。

午前中は造材の現場。まずは人力伐採から。

社員さんの案内で、私たちがまず向かったのは浦幌町留真。
「留真温泉」を越えさらに奥地へ。車はどこまで進むんだろう? 
かなり高いところまできました。電波はありません。

7:30。現場に着くとずらりと丸太が並んでいました。これは伐採して枝も落とされた木材です。
切って並べられた丸太を前に、まずは体験からスタート!

今回ツアーで案内役をしてくださった、造材部の責任者を務める社員さんの説明で体験スタート!

太陽は昇っていますが、まだまだ肌寒い山の中。

山奥は日陰が多く、晴れているものの気温はかなり低く感じました。

丸太の断面の直径・寸面を計測します。記入する数字は偶数で、と教わりチャコールペンシルで数字を記入していきます。

寸面書きに集中している参加者。

「あ! 間違った」
「偶数で書いてね〜。二重線で消して横に数字書き直してみて!」
中にはうっかり計測したとおりの奇数で書き込んでしまう場面も。
参加者五人掛かりでずらりと並んだ丸太すべてに書き込みをしました。五人でやってもそれなりに時間がかかるこの作業。数えきれないほどの丸太を相手に、普段はこの作業を一人で行うんだそう…!

その後、徒歩でさらに山奥へと移動。行った先ではチェーンソーで人力伐倒を行う様子を見学できるということで期待が高まります。
「山奥で熊が出ることはあるんですか?」
そんな会話をしながら歩いていると、
「ほら、これ熊の足跡だよ」
結構はっきりとしたまだ新しい足跡が。

さらに急勾配の山道を歩いていくとどこからか機械音が聞こえてきました。現場に到着です!
これが人の手で行われる「人力伐採」。早速切るところを見せてもらいます。

チェーンソーを使っての人力伐倒。

鮮やかな手捌きであっという間に三本ほど伐採され、見学者からは感嘆が上がりました。
「おぉ〜!」
「早い!」
一本を切るのにかかる時間は思った以上に短く、驚きました。かっこいい!
基本的にはチェーンソーを使って行われ、時には小斧とトンカチを使い、倒す角度もコントロールする、まさに職人技です。
チェーンソーの機械音が大きいので耳を守るために専用のヘッドホンを装着していました。

実演後、やり方やコツを説明してくれました。

機械伐採のスーパーマシーン「ハイランダー」を見学!

10:30。次に着いたのは豊頃町の現場。
ここでは「機械伐採」を見学しました。先ほど見学したような狭い斜面では機械が入ることができず人力で伐採を行うしかありませんが、機械の入ることができる現場では効率的に伐採を行っているんだそう。

伐倒と枝払いを行っているハイランダー。

こちらはハイランダーという機械。北海道では一台しか稼働していないとのことで、全国を見ても三台ほどしか導入されていません。

こちらの機械はなんと
   ①立木を切る 
   ②集材(切った材を集める) 
   ③枝払い(枝の付け根を幹に沿って平らに切り落とす) 
   ④玉切り(用途にあわせて一定の長さに切り丸太にする) 
という造材に必要な四工程を一台で全部完結する優れもの! 今まではそれぞれの作業に人力や別の機械を必要としていました。導入から五年、確実に作業効率は上がっているとのことです!

オペレーターであるベテラン社員さんは専属でハイランダーを操縦しています。

車内からの景色も見せてもらいました。

ハイランダーを使っての全工程をひと通り見せてもらいました。切って枝を落とす、運んで、必要な長さに…あっという間に丸太が出来上がりました!
大きくて迫力も満点で、参加者からも「うわ〜!かっこいい!」という声が。
順番に車内を見せてもらい、どんなリモコンで操作しているか? どれほど高い光景なのか? というのを体験させてもらいました。

ほっと一息ブレイクタイム。

ここで午前の部は終了!
午前中は造材部を「人力」「機械」という二つの現場から体験・見学しました。
そして午後からは
…とその前に! 腹が減っては戦ができぬ。お昼休憩を挟みます。

12:30。昼食は道の駅うらほろのすぐ前にある「URATIE」さんのお弁当。
みんなで森を眺めながらランチタイム。食べ終わった順に近くの木や、すでに積まれた丸太などを見て、森トークに花が咲いていました。

並んでご飯。

午後は造林部を見学!ジゴシラエってなに? 森作りを体験。

午後からは造林部を「人力」「機械」という二つの現場から体験・見学します。
14:00。再び移動し、着いたのは大樹町生花地区にある現場。
まずは「人力地拵え」を体験します。

造林部の責任者である社員さんから作業のやり方や必要性について説明がありました。

地拵え(じごしらえ)というのは伐採後に取り残された木の根や枝などを整理し、新たな苗を植栽できるように土地を整理する作業のこと。造林の上で大事な作業です。

目印に合わせ列になって枝を集めます。

若手社員さんのお話も伺えました。

新卒で入社した社員さん。社内の雰囲気や先輩たちについて伺いました。

機械を活用!最先端の地拵え

15:00。浦幌町に戻ってきました。稲穂地区の現場では「機械地拵え」を見学します。

手前が機械地拵え後の地面。

最新機械を導入している現場だったため、貴重な時間となりました。

以上で体験・見学は終了!

1日を通して感じたこと・疑問点をシェア

16:00。北村林業株式会社の社屋に戻り、最後は北村昌俊社長と意見交換。
北村社長が行っている多岐にわたる取り組みや、浦幌町に戻ってきた経緯、現在の最新機械の導入に至った理由などについて話してもらいました。
さらに、社長が肌で感じてきた労働観の変化や実際に働く場合の条件、これからの林業についてなどのさまざまな質問や意見が飛び交い、あっという間に時間が経過します。

造材と造林の関係についてぎゅっと知れる中身の詰まった体験ツアー。
受け入れ・アテンドしてくださった北村林業さん、ありがとうございました!

最後に参加者からの感想をご紹介します!

・北村林業さんの業務内容はじめ、林業の基本的な知識も得られましたし(用語なども)、とても有意義でした。(50代女性/社会人)

・林業のことについて、実際の作業を見たり体験して最先端の技術、手作業でやっている部分等総合的に知れて参加して本当に良かったです(30代女性/社会人)

・とても楽しく有意義なツアーでした。林業に全く明るくない私に林業を「面白そう」と思わせてくれた上に、浦幌という町を知ってみたいという私の思いも叶えてくれるものでした。企画者・参加者の方とも楽しく有意義なお話ができました。(20代男性/学生)

・北村林業さんは社内の雰囲気がとても良く、感動しました。みなさんの来歴を一人づつお聞きして、なんでこんなに仲良く仕事できるのか聞いてみたかったです。また、目先の利益だけでなく数十年後を見据えて造林事業にしっかり取り組んでいる会社に出会えたのは自分にとって大きな収穫になりました。(20代女性/学生)

・色々な林業の現場を見学できて、職人さんの技を間近で見られて、感動しました。また、社長さんのお話も興味深く、自分自身の林業や1次産業についての考え方を改めるきっかけとなりました。(20代女性/学生)

林業について詳しくない人も詳しく知ることができる、
森林が好きな人も楽しめる、
そんな北村林業ツアーがなんと……次回ツアーを春に開催予定です!
植林が体験できる?! 続報をお待ちください。
一緒に100年スケールの森林に思い馳せましょう!

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