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暮らす人 2023.07.31 Update

これからもこの町で。「浦幌町の人みたいになりたい」地域おこし協力隊の平野夕莉さん

こんにちは!ドット道東でインターンをしている学生チームです。
今回、「浦幌町って移住者からみてどんな町?」というテーマで、元浦幌町地域おこし協力隊の平野夕莉さんに、浦幌町の魅力をインタビューしました!

地域おこし協力隊として活動していた平野さんならではの、浦幌町の魅力を語っていただきました。

平野夕莉(ひらの ゆり)
1997年7月15日生まれ。千歳市出身。大学時代からうらほろスタイル教育に関わり、卒業後、浦幌町地域おこし協力隊に着任(※2023年2月取材時)。
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ー平野さんは千歳市からはるばる浦幌町にいらっしゃったんですよね。生まれ育ちはずっと千歳市ですか?

そうです。生まれも育ちも千歳市で、浦幌町に来たのは3年前です。

浦幌町を知ったのは、北海道教育大釧路校の地域教育研究室にいたときです。浦幌町は『うらほろスタイル』をはじめ、様々な教育を行っているので、「地域に根ざした先生になるにはどうしたらいいか」というのを学ぶために、何度も訪れながら勉強していました。

ー浦幌町に移住しようと思ったきっかけは……?

『通学(楽)合宿』という、小中学生が浦幌町の公民館で2泊3日生活体験をする事業のボランティアをしたり、浦幌町の冬の行事『しゃっこいフェス』や毎年9月に行われる『みのり祭り』などのイベントを手伝いに来たり。
教育実習も浦幌小学校で受け入れてもらったんですよ。
そういった関わりのなかで、浦幌町が好きになりました。

※しゃっこいフェス:冬にもお祭りが欲しいという子ども達の要望から実現した、冬の寒さを楽しむイベント。
※みのり祭り:うらほろふるさとのみのり祭りのこと。秋の五穀豊穣をお祝いする大収穫祭。毎年9月第4日曜日に開催される。

学生時代の平野さん

ー大学時代の学びを通じて浦幌町を知っていったのですね。そんな平野さんが地域おこし協力隊を志望したのはどんなところに魅力を感じたからですか?

私の両親が田舎育ちで「田舎はいいぞ」と言うのをずっと聞いていたので、元々、田舎に憧れがありました。両親は親戚だけじゃなくて近所の人みんなに面倒を見てもらって、大切にされて育ってきたみたいで。
そんな背景があったので、浦幌町を知って「憧れてた町がここにある!」と思いました。

それから、浦幌町のみなさんの人柄も好きになりました。最初に浦幌町へ来たときにすごく親切にしてもらって、それが今までの私にはない体験だったので、すごく嬉しかったです。
温かいのは大人だけじゃなくて、出会った子どもたちもすごく親切にしてくれたんですよ。
ふつうは友達同士の輪があって、そこに入るのは難しいですけど、いるだけで巻き込んでくれる感じがありましたね。

ー大人だけでなく、子どもたちの姿も印象的だったんですね。

はじめは「なんでこんなに子どもたちが親切にできるんだろう」と不思議でした。だけど、子どもたちは浦幌町の大人の背中をちゃんと見ていて、自分も大人に温かく接してもらっているから、知らない人が来ても親切にしてあげられるんだと気付いて、すごく感動しました。

そういう前の世代から受け継いだものを大切にして、新しく来た人や次の世代にもバトンを渡そうとする浦幌の雰囲気がすごく好きで、協力隊を志望しました。

ー浦幌の人の温かさや親切さが世代ごとに受け継がれているところに惹かれたんですね。地域おこし協力隊についてのお仕事についても教えてください!

主な活動は『NPO法人うらほろスタイルサポート』と一緒に町内の小中学校の地域と関わる学習のコーディネートをすることです。

ー平野さん自身の活動にはどのようなものがありますか?

私は地域おこし協力隊のなかでも『うらほろスタイル・学校と地域連携担当』として活動しています。
浦幌町内の小中学生が地域に関わる『ふるさと学習』のお手伝いもその1つです。
具体的には『民泊体験学習』という町内の農林漁業家さんのお宅に小学生がお邪魔して、1泊2日で第一次産業の仕事と日々の生活を学ぶサポートをしています。

ーなるほど!仲介人として学習を作り上げているんですね。素敵です!子どもたちに関わる仕事が多いんですか?

地域の大人の皆さんとも関わりますよ。「新しくなにかしたい」「今までの学習を変えたい」「授業の先生としてこんな人を呼びたい」、そんな声に応えるために相談先の紹介をしています。

例えば学校の先生には任期があり、子どもたちへの想いがあっても浦幌町のことを知る機会が少ないことや人と繋がれないことで、希望を叶えられないこともあります。そんなときに声をかけてもらえたら、地域の方や町内の子どもたちと関わりたいと思っている方を紹介するといったお手伝いをします。素敵な想いを持つ方たちの橋渡し役として仕事ができるのは嬉しいですし、地域の方や学校の先生に笑顔になってほしい、やってよかったと思ってほしいという想いは地域おこし協力隊になった理由の1つでもあります。仲介人の立場として関わる人みんなが幸せになってほしいんです。

ー地域おこし協力隊の活動を通して、叶えられることがたくさんあるんですね。

そうですね、やっぱりみんなが笑顔だと私も嬉しいです。

もちろん、活動を通して改善点もいただきます。でもそれを言ってもらえるのはすごくありがたいです。浦幌の人たちは「若い子が頑張ってるから」と見捨てないでいてくれるんですよね。

むしろ「来年もやってみる?」「今年はこうだったから、来年はこうしたほうがいいんじゃないの?」と優しくて。

地域の方々や先生方には「子どもはもちろんだけど、一生懸命頑張ってる平野ちゃんも育ててあげよう」という気持ちがあるような気がするんです。私は勝手にそう思ってありがたく感じていますね。

地域おこし協力隊のお仕事中の平野さん。「浦幌町に成長させてもらってるなと思います」と語ってくれました

ー世代を問わずたくさんの方々と関係を築いて活動をされてきたんですね。では、地域おこし協力隊に着任した当時の目標と今後の目標を教えてください。

地域おこし協力隊になったときの目標は、今まで浦幌町で出会った親切で温かい人のようになることでした。
浦幌町の人たちみたいになりたいんですよね。私は全然及ばないなって思うので。
今もその気持ちは変わらないです。今後、浦幌の「お姉さん」から年を取って「おばちゃん」「おばあちゃん」になっても家族のことを大切にしながら、町民のみなさんから教えてもらったことを大事にしたいと思っています。

地域おこし協力隊の任期を終えた後の仕事は決まっていません(※2023年2月取材時)が、今後も浦幌町には残ります。子どもに関わる仕事がしたいと思っています。

ーそんな子ども好きの平野さんですが、子どもたちと関わって嬉しかったことを教えてください。

やっぱり子どもたちの笑顔を見たときは嬉しいですが、町で取り組んでいる『うらほろスタイル』の学習を通して、子どもたちの真剣な顔や本気で悩んでる姿、悪いことしちゃったときに怒られて成長してるところとか、笑顔と成長した顔の両方を見られるのも嬉しいことだなって思います。

仕事以外では、小学校が昼休みの時間に学校の近くにある自宅に帰ると「ゆりぽん帰ってきたー!」って声をかけてくれるんです。
そうやって気軽に仲良くしてくれるのも幸せなことです。

ー浦幌町は、平野さんの目にはどのように映りますか?

そうですね。千歳市出身の私から見ると、人と人との繋がりが強くて濃いと感じます。千歳市は大きい街なので。
私の住んでいたところは転勤族の方が多かったから「自分で何とかやっていかなきゃ」という雰囲気があって助け合う感じはなかったです。
なので、こっちに来てから、困ったときに「助けて」と言える人が増えましたね。
あとは尊敬できる人が周りにたくさんいて、周囲に尊敬する気持ちを持つことを教えてくれたのもこの浦幌町でした。
自分が困ったときや嬉しいときに、気持ちを共有したい人の顔が浮かぶっていうのはすごいことだと思いますね。

のり(URATIEを営む佐藤紀毅さん)もその1人で、「ちょっと店に来て」とか、困ったときには「電話しよう」とか、苦楽を共にした仲ですね。そういう人がいるのは幸せですよ。

▲取材をさせていただいた「URATIE」の佐藤紀毅さんと

のりとは大親友です。出会ったのは冬にある『しゃっこいフェス』です。

『しゃっこいフェス』は夏や秋には大きいお祭りがあるけど「冬にもお祭りが欲しい」という子どもたちの声からできたお祭りで、地域の若い人たちで実行委員会を作って毎年開催しています。そのお祭りの打ち上げで、のりと初めて話をしたんです。

そのときにのりから聞いた浦幌での出来事とか幼少期の思い出、これまで経験してきた話にすっごい感動して、涙ながらに「私、浦幌に住みたい!」って言ったけど、2人とも酔っ払ってて中身を覚えてない(笑)。

朝起きて感動した気持ちだけが強く残ってて「浦幌に絶対行きたい」という気持ちはあったけど、なんでかはわからなくていまだにそのままです。

ーそれが浦幌に移り住む決め手の一つにもなったんですね。

そうですね、えらい感動したんでしょうね。共通の友達もいて、繋げてくれたのもあるし。

今では『うらフェス』といって、閉校になった浦幌高校を特別に貸してもらって開催するイベントにも一緒に出るぐらいの仲で。
年上だけどため口を許してくれる間柄だし、何かあったら私は必ずのりに相談しますね。のりともう1人女の子の友達がいるんですけど。

友達になにか相談したいときはのりとその女の子になりますね。ただ、旦那が一番なんで、そこはちょっと強調させていただきますね!

「うらフェス」練習中、同世代の仲間との一幕。楽しそうな雰囲気が伺えます

ーわかりました(笑)。浦幌町の好きな場所ということで、『レストランURATIE』はどういった理由で選ばれましたか?  

浦幌町の飲食店は全部好きですよ。どこが一番というのはなくて。
私のことを可愛がってくれるお母さんのお店、悩みごとがあったら「飲みに来ないかい」と連絡してくれるお店、「最近ご飯食べてるかい」とアイスを差し入れてくれるお店……。
どのお店も温かくて大好きなんですけど、のりのお店もとっても大好きです。

ここはのりの想いもあって、若い人がよく集まる場所なんですよ。ご飯も美味しいですし、ここでの思い出もいっぱいありますよ。
それ以外にも、深い話をするときに「ちょっと店行っていい?」って言って仲良しの3人で来るとかね、そういうこともしましたよ。

ー『レストランURATIE』での思い出を教えてください。

閉店後のお店を貸してもらって『うらフェス』の練習をしたり、ここに集まったことで仲の良い友達ができたり、そんな思い出がたくさんあります。『レストランURATIE』は人が集まる場所ですね。
おすすめのメニューはスパカツです!

平野さんオススメメニューの「スパカツ」。ボリューム満点です!

ー最後に平野さんが考える「浦幌町の魅力」とは、ずばり!!!

いっぱいあるけど、その中心にあるのは「人のあたたかさ」かな。
浦幌はちっちゃな町だからこそ人との距離が近くて、何かあったとき、困ったとき、嬉しいときに話したいと思える人の顔が浮かぶんです。
それだけ私が温かく接してもらってきたからだと思いますし、この環境がとっても好きです。

私自身、そんな浦幌の人たちのようになるために修行中です。かけがえのない人たちに出会ったからこその想いですよ。

ーありがとうございました!

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今回、初めての取材でとても緊張していましたが、平野さんのご協力のおかげで素敵なお話をきくことができました。この記事で浦幌町の魅力を伝えられたらうれしいです。
改めまして平野さん、取材させていただきありがとうございました!!

この記事を書いた人

この記事を書いた人ドット道東インターン生

ドット道東インターン生

道東を拠点に置く一般社団法人ドット道東のインターン生です。道東にゆかりがある学生から、道東初心者までの学生が所属しています。

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