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働く人 2023.11.17 Update

【社長インタビュー】株式会社デイリー・ブルーダー 高橋貴徳さん

浦幌町で活動する事業者の代表にお話を伺う「代表インタビュー」シリーズ。ご自身が抱える思いや、今に至るまでのお話、目指す未来について伺っていきます。今回は、株式会社デイリー・ブルーダー 代表・高橋貴徳さんです。

ー約40年近く酪農業を営んでいる株式会社デイリー・ブルーダーが法人化したのは2022年とのことですが、このタイミングで法人化したのにはなにか理由があるんでしょうか。

これからの時代を生き抜くためによりグローバルな社会に適応できる会社として、個人事業主のままでいいのかな?と考え法人化しました。会社になることで行動範囲も増えるし知り合える人も増える。

今営んでいる酪農だけでも深みが出せると思っていますし、これからは酪農だけじゃないことにも取り組んでいきたいと考えています。

ー出身は帯広とのことですが、元々どんなお仕事をされていたのですか?

建設業で営業として働いていました。四・五年前、妻と結婚するのを機に酪農に従事し始めました。建設業と違い、特に酪農は第一次産業の生産者として景気の変動に揺らぎやすい。そこに携われることにやりがいを感じます。やり方も一つとして同じやり方がないんです。10酪農家がいたら10やり方が違う。自分のやり方を追求できるのが牧場主。浦幌の生乳の良さをわかってもらいたいと考えながら追及するのが楽しいです。

会社の中で収まっていた時よりも、より動きが大きいなと感じています。波が早い。一次産業は特に波の動きが早い。だから成功した時のリターンの波も大きい。お金の動きも大きいです。

ー会社を営む上でコンセプトにしていることはありますか。

会社で掲げているコンセプトとは繋げよう楽農という言葉です。

まず、繋げようというのは次の世代に繋げる意識を持つことと、他人に繋げること。二つの繋げるを意識しています。一人で働いているわけではないので自分だけわかりやすくてはいけないと思って、どのように伝えるか、残していくかを大事にしています。一人でやっても一人のやり方を続けると成長を感じづらいですよね。なので会議をする中で何がいいか悪いかを考えて話し合って共有しています。

そして楽農というのは造語なんですけど…。一般的に酪農は大変なイメージを持たれています。ですが工夫次第では楽しく、そして楽をして取り組めるんだよということを伝えたいです。向上心を持って苦労せず時間をかけたくないという意識のもとで業務改善することが本来大事です。まだまだ足りていないので法人化したことで少しずつ改善していけたらと考えています。

ー社名にはどういう思いが込められているのでしょうか。

酪農はもっと社会的であるべきなのかなと思っているので、そこを意識して働いています。デイリーというのは英語で酪農家を指します。ブルーダーというのはドイツ語で兄弟という意味です。酪農家はみんな兄弟、つまり同胞というイメージです。隣との隔たりをなくしていくことが目標です。

酪農家は元々情報をあまり外に出さずそれぞれがそれぞれのやり方を突き詰めていく気質があります。ですが情報交換したい人も中にはいるので、最近はそういう人たちを見つけて牧場見学したり、話したり、意見交換などの交流を行っています。そういう動きが幅広く増えていったらいいなと。

ー仕事をする上で意識していることは?

日常的に牧場でどんなことをしているかというのは、なかなか外からは見えないと思います。だからこそ、誰かに認めてもらうとしたらそれは第三者に飲食してもらう時だと思っています。先ほども言ったんですが、浦幌の生乳の良さが伝わればいいなと思いながら日々仕事しています。僕はもともと営業職をやっていたので、負けず嫌いというか…(笑)。どのような評価をされるか?という視点は常に意識しています。

ー飼料価格高騰が世間で騒がれていますが、どのように考えていますか。

餌代が高くて大変ですねとよく言われます。実際大変ですし、値上がりに対応できる売り上げがもともとあるところは少ないんじゃないかと思います。

確かにピンチかもしれません。けれど見方を変えればそれは機会にもなる。今回の値上がりによって視野が広がりました。たとえば値上がりしている分、配合飼料を減らしてコストを減らして浦幌産の餌の割合を増やすなど、比較的コストがかからない方向性を考えながら対応するのがいいと考えて動いています。

今までは配合飼料や化学肥料に頼るというのが普通でした。楽だし、安かった。ですが、安くなくなってからはより自然な食べ物で育てるというさらに昔のやり方へ目を向けるようになりました。現在、牧草とデントコーンを自分たちで育てていますが、来年はライ麦や大豆の育生にチャレンジしたいと考えています。茎などを砕いて混ぜれば、配合飼料の割合を減らしていけるのではないかと。

ーそういった情勢の変化を受けて感じたことはありますか?

基本的に酪農家の収入源は大きく二つに分かれます。生乳販売と個体販売です。牛にお乳を出し続けてもらうためには妊娠してもらう必要があります。そうすると子牛が生まれるのでそれを売るんです。先に生乳販売があって、その過程で個体販売も伴うイメージですね。

今、飼料が値上がりしているだけではなく、個体の販売価格が下落しているため、酪農家はさらにダメージを受けています。すごく情勢に左右されやすい。

でもお金を回そうと思えば無限大に広がる。酪農家としての大きな二つの収入源に限らず、工夫次第でもっと幅を広げていけると思っています。だから情勢を気にしなくてもいいような柱を探しているところです。

ーその先に目指すことはありますか?

酪農を深めるだけでなく、さまざまな畜産動物にも挑戦していきたいと考えています。また酪農にとどまらず六次化するのが目標です。その方が多くの方に知ってもらえる間口が広がるからです。そのために準備段階として今は敷地内の整備を行なっています。アウトプットを増やしていくためのタイミングを見計らっているところです。

新しいことに挑戦する上で、どんどんアイディアを出してくれるような仲間を増やしたいなと思っています。

ーどんな方に働いてほしいですか?

改善案などアイディアをぜひ伝えてくれる方だと嬉しいですね。もちろん、従業員に対して「これをやってほしい」ということはある程度伝えますが、それに対してこういうふうに改善できるかなど、より良い方法に気づいたらぜひ教えてほしいです。対話を大事にしています。協議のもと、随時改善していく。時にはこちらからアドバイスすることもあるかもしれませんが、仕事を押し付けるようなことはしません。あまり酪農を知らない人からの客観的な意見も聞きたいですし、僕らが見落としている視点があるかもしれないので話す中でしっかり関わっていきたいですね。そして、いい方向を一緒に探りながら長く働いてくれると嬉しいです。

朝のみや夕のみも可能です。働ける時間帯があればぜひご連絡ください。

INFORMATION

株式会社デイリー・ブルーダー

浦幌町で約40年、酪農業を営んでいます。2022年に法人化し「株式会社デイリー・ブルーダー」を創立しました。白黒の牛、ホルスタインをメインで育てています。

北海道十勝郡浦幌町字朝日69-1

https://tsutsuuraura.jp/worker/archive/1631/

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