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滞在記 2023.08.18 Update

【私が出会った浦幌町民(9)】役場の人が前向きな町の未来は、きっと明るい〜浦幌町役場 井上亨さん〜

生まれた場所や土地柄にしばられず、「この場所にずっといたい」と心から思えている人たちが、私はうらやましい。そんな人たちに対するうらやましいという思いは、実は多くの人たちが抱えているものなんじゃないだろうか。生まれ育った町や、住み慣れた町で自分がやりたいと思ったことができなかった、共感してくれる人がいなかった。そうやって夢を諦め、都会に向かった人もたくさんいると思う。そんな私は、「この場所にずっといたい」という思いを素直に表してくれた9人の町民たちに、ここ、浦幌町で出会った。

※2021年7月に行われた取材をもとに作成された記事です。

こんにちは、須藤か志こです。前回の記事では厚内漁港の近くにある「山本商店」に行った。今度は再び市街地へ戻り、最後の目的地である「浦幌町役場」へと向かった。

井上さんに出会うことができたのは、この一言がきっかけだ。「浦幌町に来たら、いつでも会いに来てください!」とありがたい言葉をかけてくれたのだった。

町の古家を改修してオープンしたハハハホステルは、町の人とDIY作業で仕上げた宿である。その作業に1番多く足を運んだのが、浦幌町役場に勤務する井上さんだったそう。「創業した小松さんとは、彼の地域おこし協力隊時代に一緒に仕事をした仲間ですから」と約50回開催された作業日のうち40回もの参加をしたという。自らの休日を惜しみなく使い、この町で挑戦する若者に自分の力を注ぐ。「町内外のいろんな人と話をする機会にもなり、逆に自分が楽しませてもらっていましたよ。オープンしたのは嬉しいのですが、作業する日がなくなって『ロス』状態です」と、笑顔で話す姿に、この人が町にいるだけで、たくさんの若者が救われてきたのだろうなと想像できた。

この町は、元々暮らしている人が、若者や移住者を応援する文化が根付いているように感じる。カナリアのお母さんがかし和家を継いだ近江さんに「一緒に頑張りましょうね」と声をかけた場面に感動したことを井上さんに話してみた。

「移住してきた小松さんや森さん、そして地元出身の近江さんなどの存在は大きいです。若い人が成功したモデルがあると、浦幌町でもやれるんだ、と思える状況を作り出せる。それに、我々上の世代にも町の未来を一緒に作っていきたいんだ、という大人が多いんだと思いますよ」。

次世代の挑戦を、ライバルが増えることと考えるのではなく、明るい未来がやってくると期待し、応援する。浦幌町にはそんな前向きな人々が多いみたいだ。

※2021年7月に行われた取材をもとに作成された記事です。

私が出会った浦幌町民(完)

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この記事を書いた人須藤か志こ

須藤か志こ

釧路市生まれ釧路市育ち。「つつうらうら」では、「ハハハホステル」での滞在中に出会った多くの浦幌民から聞いた、彼らがここに住む理由や魅力をご紹介。

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