こんにちは。関東でデザインを学んでいる大学4年のモトとシュンスケです。
昨年8月、初めて北海道・浦幌町を訪れ、短いながらも忘れられない体験をしました。(過去の記事はこちら)
関東に戻ってからも、ふとした瞬間に思い出すのは町で出会った人たちの顔や、広大な自然の風景でした。
「もっと深くこの町を知りたい、あの人たちの暮らしに触れたい」という想いが募り、その気持ちに後押しされるように、今年も浦幌町へやって来ました!
今回は、昨年の滞在がきっかけでテーマを決めた「移住体験住宅」の卒業研究を進めています。その一環として、地域に根差す仕事の実状を知るべく、浦幌町で農業を営む石原農産さんにお話を伺いました。
ご夫婦で力を合わせ、小麦やビーツといった作物から、暮らしに彩りを添えるお花まで、多岐にわたる農業を展開されています。畑のこと、浦幌町での暮らし、そして未来への想いについて、たっぷりと語っていただきました。
今回はお花の雑草取りのお手伝いと、実際に販売店へ運ぶ作業を体験させていただきました。その作業の中でお話を伺えたので以下に記します。
1. 自己紹介と石原農産について
——はじめに、石原農産について教えてください。
「私たち夫婦二人で経営しています。主な作物は、小麦、ビーツ、ジャガイモ、ハスカップなどです。それ以外にも、少し変わったところでは松の苗木を育てていたり、スタンドで販売するためのお花も栽培しています。ジャガイモは主に澱粉工場に、お花はスタンドを通して地域の方にお届けしています。」
2. 農業への思いと日々の暮らし
——農業の1年のサイクルや、やりがいについて教えてください。
「農業のサイクルで言うと、5月から6月にかけてが種植えの時期で、9月から10月が収穫の時期になります。特に収穫期の秋は一番忙しいですね。人手が必要な時は親戚に手伝いに来てもらいますが、基本的には募集はかけていません。作物の世話は季節ごとですが、お花は年中手入れが必要なので、常に何かしらの作業があります。」
「やりがいを感じるのは、やはり収穫の時です。1年に1度の収穫に向けて頑張っているので、無事に終えられるとホッとしますし、大きな達成感がありますね。」
——冬の間はどのように過ごされているのですか?
「冬の間、畑仕事が落ち着くと、旦那は猟に出ています。捕獲した鹿の肉で缶詰を作っています。地域の他の農家さんだと、冬の間はJRで雪かきのアルバイトをされる方もいますね。」

3. 地域との関わり
——浦幌町での農業にはどんな特徴がありますか。また、地域の方との関わりはいかがですか?
「浦幌町は、東京でいうと夏が春のような気候で、作物は基本的に年に1回しか収穫できません。それがここの農業の大きな特徴ですね。」
「地域との関わりはとても密接です。町を歩けば知り合いに会いますし、お互いに挨拶を交わすことを大切にしています。」

4. 体験受け入れや関係人口との関わり
——農業体験の受け入れなどもされているのでしょうか?
「以前は、大阪の学校から修学旅行の生徒さんを受け入れて、ジャガイモ掘り体験などをしてもらっていました。北海道教育大学釧路校の学生さんを、お手伝いという形で受け入れたこともあります。」

5. 暮らしと環境
——浦幌町での暮らしの魅力を教えてください。
「魅力は、なんといっても安全なところ。家に鍵をかけない人もいるくらい、のどかで安心できる環境です。あとは、町にコンビニがあるのが意外と便利で助かっています。」
6. 将来について
——今後の展望や挑戦したいことはありますか?
「今は、松の栽培に力を入れています。これまであまり手掛けられてこなかった新しい品種の栽培で挑戦をしていきたいと考えています。」

7. これから地域に関わる人へ
——地域の方と良い関係を築くために大切なことは何だと思いますか?
「地域の人と関係を築く上で一番大切なのは、やはり『挨拶』だと思います。まずは顔を合わせて挨拶を交わすこと。そこからコミュニケーションが生まれて、少しずつ地域に溶け込んでいけるのではないでしょうか。」

たくさんの作物がある中で、お花について語る石原さんのお話からは、ひときわ強い情熱が感じられました。
そして何より、お忙しい作業の後、豊頃町のシンボルであるハルニレの木や、大津漁港まで快く案内してくださったご厚意に胸が温かくなりました。
その気さくで寛大な人柄は、私たちがこの町で出会ったあたたかさそのもの。石原さんとの出会いは、浦幌町の魅力を再発見させてくれる貴重な時間となりました。
この記事を書いた人
この記事を書いた人小木竣介(左)・長谷川福(右)
小木竣介(左)・長谷川福(右)
神奈川県出身と茨城県出身の大学生。千葉県にある大学に通っており、二人ともデザインについて専攻。今回は教授紹介の元、さまざまな流れがありここ浦幌町でインターンに参加。