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滞在記 2022.03.31 Update

林業初経験!単純作業だけど、未来を見据える大事さを知った5ヶ月間

はじめまして!2021年11月から3月までの5ヶ月間ものあいだ、北海道浦幌町に長期滞在をしていた平井佑樹です。僕は神奈川県出身の23歳。大学を卒業後に、「歩いて日本一周」をするために2021年4月に東京を出発し北上をしていたのですが、10月に入って北海道に入ると、なんと寒いことか。お金を貯めたいという思いもあり、暖かくなるまでの間、歩く旅を一度中断し、北海道のどこかで過ごそうと探していると浦幌町にある「ハハハホステル」が冬の間もヘルパーを募集していることを知り、何も知らないまま浦幌町に飛び込みました。

まずは浦幌町民の小松さんに相談

到着早々に、ハハハホステルの小松さんに

「お金を貯めたいので時給のいいお仕事を紹介してください」

と相談したところ

「色々あるよ、酪農もあるし、林業もあるし。てか免許ないんだよね?冬の間だとだいぶ限られるな。あ、でもあるよ!林業やってみる?」

と、ここは北海道運転免許がないと選択肢が少なくなってしまう環境ではあるものの、さすがの小松さん。歩いてでも通勤できる場所にある木下林業さんを紹介していただきました。この記事はそんな僕の浦幌町に滞在しながら木下林業という木材加工の会社で5ヶ月間働かせていただいた感想をふまえ、体験談をまとめていきます!

木を切るだけが林業じゃないことを知る

まずは就業先の木下林業について紹介をします。2021年で100周年を迎えた木下林業には、7名の従業員の方たちが働いています。

主な事業内容は2つ
1 丸太を加工して、荷物を輸送する際のパレットを作るための板を作るお仕事
2 木を粉砕して、牛舎に撒くためのチップやストーブに使うペレットの元を作るお仕事

林業会社と言っても様々。木を切ったり、植林するだけが林業じゃないんです。そんな初歩的なこともこうやって触れることで知識がついていったのは、自分の貴重な経験でした。やってみないとわからないことってたくさんありますしね。

木のパレット
木のチップ

運んで積む!を繰り返す

実際の作業はというと、大きな丸太や出来た木材を運んだりするお仕事は、フォークリフトなどを扱うための特別な資格が必要なので僕には出来ません。なので、僕の仕事は丸太が機械でカットされた木材の大きさを計りサイズごとに積むことでした。

1.機械で丸太を切り分ける

2.指定されたサイズにさらに機械で切り分ける

3.切り分けられ、流れてきた木材のサイズを測って積む

ここが僕の仕事場です!

基本的な作業は、流れてきた木材をサイズごとに決められた場所に運んで積む

運んで積む

運んで積む。

仕事自体はとてもシンプルなのですが、何キロ何十キロもある木材を運ぶのは大変で慣れないうちは腰痛と筋肉痛に悩まされました。一つだけ僕が次働く人にお伝えできるとしたらテコの原理を意識するのがコツです。

積まれていく木材

単純作業の繰り返しではありますが、運びながらこの仕事なんでやってるんだろう?なんていうことが頭に浮かぶんですが「遡れば木を伐採していて、未来を見れば運輸のサポートをしている。」誰かの仕事で本当に世界は回ってるんだなと、普段からたくさんの人がいるからこそこうして幸せに好きに生きていられるんだなと感謝の気持ちが湧き上がってきました。

ちなみに仕事の時間は朝の8時から17時半まで(内休憩が1時間半)。会社は町の真ん中から1.5キロほど離れているので、僕は自転車・雪が積もると徒歩で通っていました。お昼休憩は12時〜13時の1時間。最初は滞在先に戻ってお昼を済ませていましたが、それだとあまり休める時間がなかったので、事務所にお昼ご飯を持っていって過ごすようにしていました。

働いてみて視野が広がった・・・

正直なところ、特に林業に興味があるわけではなく、日本一周の資金集めで選んだお仕事でした。でも得ることはたくさんあって、森林にあった木がどのような過程を得て木材になり、各地へ運ばれていくのかを知ることができたのは今後の人生でこの仕事を思い出すことがたくさんあるだろうなと感じました。

また木下林業は100周年の記念に自社の木材を使用して新しい事務所を建築していたのですが、そのお手伝いもさせていただきました。木材が家になっていく過程に携われたのはとても嬉しい経験でした。

新事務所の話をしている時に社長がふとかっこいいことをおっしゃってました。
「木下林業は100年の歴史がある。おれはこれからの100年先を見据える覚悟を持つために、新事務所を作ったんだ。」
100年後にも残る建物を作りたいと。かっこよすぎました。

木下林業さんの新事務所

一緒の持ち場で働く方たちとのコミュニケーションは難しいときもありましたが、社長を含め、役員さんや事務員さんはいつも話しかけてくれて、気にかけてくれていました。会長さんの奥さんがお弁当を作ってきてくださったこともありました。

斧を使って薪を割ることもありました。おじいちゃんが1から体の使い方、斧の振り方、木の割り方を教えてくださり、この町で暮らしてきた方たちの経験を知ることができました。ときには作業着を譲ってくださったり、クレーンに乗せていただくこともありました。

初めての経験がここでできたことは本当に貴重な良い体験だったなと思います。
また林業の仕事をしていると自然と木のことを知る機会が増えます。4-50年かかって成長している木の大切さや次世代を見据えた植林。持続可能とはを考えさせられる時間がたくさんあったのです。

木下林業での5ヶ月間は、林業に携わる経験と地域で働いてみること。これらをしっかりと肌で感じることができた時間になりました。ありがとうございました。

仕事場からみる夕焼けが好きでした。ちなみに、目標にしていた金額も貯めることができました。

INFORMATION

木下林業株式会社

浦幌町で創業した会社で、製材・チップの製造販売、社有林・個人山林の管理を行っています。

北海道十勝郡浦幌町字帯富86番地

https://tsutsuuraura.jp/worker/archive/168/

この記事を書いた人

この記事を書いた人平井佑樹

平井佑樹

歩いて日本一周中の冒険家。2021年11月〜2022年3月まで浦幌町に滞在していました。林業の他にも、新聞配達、ゲストハウスの清掃、木炭造りなどを体験しました!家族のような暖かさがある浦幌町、「ただいま」と言って、また帰ります。

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