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イベント 2023.06.09 Update

【ツアーレポート】北村林業!春の植林ツアーを開催しました!

前回のレポートはこちらから!

【ツアーレポート】

5月19日~20日にかけて「北村林業!春の植林ツアー」が開催されました!

北村林業は、50年、100年先の人々の暮らしに豊かな資源を残すことができるよう挑戦し、
未来に向けて今を育んでいる会社です。
これから何十年と続いていく森林を造る仕事とは、どんな現場なのか。

今回はそのサイクルの1つ、木の苗を植える植林作業を体験させていただきました!

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6:00 

曇り空の少し肌寒い空の下。北村林業株式会社の社屋前に集合し、開始を待ちます。
次々に社員さんが集まってきてどきどき。

社員さんが集まると開始されるラジオ体操。
その後、全体で今日の作業内容の共有確認事項と安全確認がありました。

毎朝行っている朝礼を聞き、いよいよ現場へ行くのか…とそわそわしていると、

「さ、腰に手をあてて~」と声がかかり、社員のみなさんが片手は腰に、
もう片手はこぶしを握って掲げる形でポーズを取り始めます。

あわてて、見よう見まねでポーズを取ると。

「今日も一日、頑張ろう!」『お~!』

と、みんなでかけ声をするルーティーンだったようです。

一体感…!と、個人的にほっこり。

社員さんたちの仲の良さが垣間見えて、固まっていた身体が少しほぐれた気がします。笑

北村林業さんの社用車に乗せていただき、1時間ほど揺られて現場へ向かいます。
浦幌を出て、豊頃町を過ぎ、気がついたら大樹町に…
私たちが今回植林の体験をさせて頂いたのは、隣町を越えた山でした。

車から降りると木が伐採されて開けた場所が目の前に広がります。
このエリアは、冬に入る前に地拵え(じごしらえ)という作業をした場所だそう。
地拵えは伐採後に取り残された木の根や枝などを片付け、新たな苗木を植えられるように土地を整理する作業です。

本日植えるのはトドマツの苗木。

緑の青々しい、良い香りがします

こちらは「うまく育てばあれくらいになるよ」と教えて頂いた木。

大体50年ほどの木。どうかすくすく育って欲しい…!

逆に言えば、「自分たちの植え方次第でもしかしたら枯らしてしまうかもしれない」今回の作業・・・
緊張がまた走ります。

今回のツアーで、午前中に主に指導をしてくださった嘉藤さん

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植林の作業は、大きく分けて6つに分けられます。

・木を植える間隔を測る
・うわめくり(山肌表面に生えている雑草を剥ぐ)
・掘る
・鍬を深く土に差し込み苗木を植える
・根踏み(植えた苗木の根元を踏む)
・植えた場所が乾かないように整える

〇木を植える間隔を測る

等間隔に植えられるように木の棒で測りながら、まっすぐに並ぶように掘る目安をつけます。

〇うわめくり(山肌表面に生えている雑草を剥ぐ)

先ほど測った場所の周辺をうわめくりします。
地肌に生えてきている笹などを鍬の側面を使って削いでいくイメージでやります。
これがなかなか、実際にやってみると思うように道具を操れません…
剥がしても剥がしてもいる根っこ。手強いなぁ。

〇掘る

次に、うわめくりした地面を掘り、ふかふかにします。
鍬は使い方を理解できていない上に重たく、斜面の土を掘る作業はとても大変でした。

〇鍬を深く土に差し込み苗木を植える

そしていよいよ、苗木を植えます。
先程掘った土に鍬をどすんと落とし、少し手前に引きながら隙間をつくってその間に植え込みます。
そこに土をかぶせていくのですが、土の中で苗木が苦しくないように無重力をイメージして植えるように教わりました。

〇根踏み(植えた苗木の根元を踏む)

その後、簡単に風で倒れたりすることのないようにつま先を使って根元を踏んでいきます。
このとき、植えた場所の土が粘土質のようだった場合は強く踏みすぎると押し固まってしまうので、踏み方を調整します。たしかに、苗に限らずきゅうくつはくるしいですよね。

〇植えた場所が乾かないように整える

一通り終えたら植えた苗木の根元から周辺に草などをかけてあげます。
土を掘り返すことは元々の地肌の生態環境を剥がしてしまっていることになるので、表面が乾かないように、別の場所に生えている雑草などうわめくりしたもの以外でカバーします。

ーーー

おおまかな植栽の流れを教わり、あとは目印に沿って等間隔に、時には切り株の残る場所を避けながら、距離を変更したり工夫して植えていきます!
午前中は嘉藤さん一人対私たちの個人作業を中心として、教えていただきながら手探りで進めていきました。

もう一人の指導員、柳田さんから教えてもらった

「雷が落ちるとキノコが生える話は知ってるかい?その原理と同じで、苗木もこうやって軽く叩くと眠ってる状態から起きるんだ」

といった木にまつわるお話などが印象に残っています。ちょっと賢くなった気分です。

11:00

仕事はじめが早い分、お昼ご飯は早めの時間に。
ごはんは浦幌町にあるお弁当屋さくら屋さんのお弁当をいただきました!
とても美味しく、疲れた体にほどよい塩分が沁みます…

ご飯のあとに同じ20代の社員さん(写真右端)からもお話を聞けました!

12:00

作業再開。

午後は北村林業の社員の方が参加者ひとりひとりについてくださり、質問したりおしゃべりをしながら作業をしました。

大学生の参加者さんがたくさん質問しているのに丁寧に返事をしている社員さんの姿。
最初は気になっていた会社の待遇のことから、実際に体を動かして気付いた仕事のやりがいなどに質問の内容が変わっていたのが印象的でした。

午前は重たい曇り空だったのが、お昼を越えると快晴に!
とても気持ちの良い天気の下で木を植える作業が出来たことが嬉しかったです。

とはいえ、力の入れ方が下手でなかなか思うように掘れない土と道具との戦いで疲れも溜まり、少し立ち止まる時間が増えてきた午後。

足を引っ張っちゃっているなあと少し凹んでいる私を見て、

「そんないきなり出来ちゃったら長くこの仕事やってる自分らが困っちゃうよ~!」

なんて社員さんが笑って励ましてくださいました。

それでも、へとへとの私の目の前には山の傾斜のなかで力強くテンポ良く作業を進めていく社員の方々の姿があります。
私は比較的柔らかい土の場所を担当していたのもあって、本当に格好よくてすごいや…と思わず眺めてしまいました。

疲れはあるけれど、きれいな緑の中で作業をして心なしか気分はすっきり。
植え終わった場所から見える景色がごほうびのようにとても綺麗でした。

ーー

植林の作業を1日経験してみて、「時間」を一番感じました。
私たちが実際に植えた苗木の状態になるまでにも2〜4年。
普段何気なく見ている森の木が、自分の生まれるもっと前に植えられたものなんだ…と、ふしぎな気分です。

伐採をしたあともこうして植栽をして、50年後、100年後。
もっと長い時間かもしれませんが、はかり知れない木の育つ期間も、造林のサイクルを繰り返して森を護っていく作業にも、“時間”を肌で感じました。

林業の思考はスパンが長く、農業が1年先を見ているとするならば林業は15年くらい先を見ている、と 北村社長は話します。
実際に森林のなかで植栽の経験をしてから聞くその言葉には説得力がありました。
同時に、一次産業が盛んなこの町でも、業種によっていろんな思考が重なっていることがとても面白く、もっと知りたいと思いました。
自分が深く呼吸を出来るのは酸素を出してくれている植物のおかげであって。そのほとんどを占める森林造りの一片に携われて、とても有意義な時間を過ごすことが出来ました!

自分が植えた木が数年後枯れていませんように…と念を込めて。笑

北村林業のみなさま、ありがとうございました!

◎参加者さんの声を一部抜粋してお届けします!

・造林の作業は人の手がかけてなされていることがよく分かりました。秋、春のツアー、働いている方や体験を通して林業の木を育て、製材し林業についてよく知ることができました。(30代女性/社会人)

・とても楽しかったです。本格的に造林の経験ができるツアーは貴重なので、とても良い経験ができました。(20代男性/大学生)

・初めての林業体験。やはり自然相手のお仕事はかなり難しく、力作業が必要なんだなと再認識しました。農業や漁業と違うなと感じたのは『自分がいなくなった後の世界のことも考えないといけないこと』。
自分達の利益の為だけではなく、子供達や孫達の世代でも林業が続いていけるように考える北村林業さんの視点は私に足りない部分なので、その視点を持ちたいなと思いました。(20代女性/社会人)

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