大学2年生の柚貴子です。2026年の夏に2週間、つつうらうらのインターンをしています。
今回は約1300頭の乳牛を飼育する有限会社ランドハートさんでの酪農体験をさせていただきました。

ランドハートについて調べようとホームページを見たとき、「メガファーム」という言葉を見つけ、とにかく大きい牧場というイメージを持っていきました。
実際に訪れて感じたことは
「全部大きい!北海道サイズ!」
でも、今回印象に残ったことは、その大きさのなかにある、細かいところまで大切にしていることでした。

きれいな牛舎は毎日の積み重ね
子牛が一日中過ごし、哺乳をする保育舎に一番に訪れました。
地面はモルタルで、歩きやすく、汚れがあればすぐに気づいてしまうくらい、きれいでした。
「1300頭分の掃除大変そう、、」と思ってどんな大きな工夫があるのか聞いてみると、
「気づいたらすぐに掃除することですね。たまってからだと大変だし。汚いの嫌じゃん。それは会社で徹底してる。」
と話してくださったのは牧場長の小山さん。

小山さんは愛知県出身。14歳の時に体験した酪農体験をきっかけに、高校進学を機に北海道へ渡り、酪農の道に進みました。
高校生の時に自分がきれい好きだということに気付いたという小山さん。
そんな小山さんの「汚いのは嫌」という感覚は、会社としての取り組みにつながっています。気づいたらすぐに掃除することを徹底する。そうした一人ひとりの日々の積み重ねによって、牧場全体のきれいな環境が保たれているのだとわかりました。
1300頭1300色
次に大きな牛たちが飼育されている場所へ。
そこには本当にたくさんの牛がいました。出産の近い牛、これから搾乳する牛など、分けられています。牛を見ながら小山さんが話してくれました。
牛にもそれぞれ性格があり、その牛に合わせてどんな対応をしたらいいのか考えながら接しているそうです。

大変な作業が機械化されているからこそ、1頭1頭の牛に向き合うこともできるのかもしれないと感じました。
広い敷地を歩いて大型機械の収納庫へ
とにかく大きい!
地元で見たことのある農業用機械は比べものにならない大きさです。
牛の飼料となる植物を収穫するのも、数種類のえさを混ぜあわせるのも、ランドハートが所有する大きな機械を使って、自分たちで行っています。

牛舎の掃除も機械で行います。
汚れた寝藁を、大きな機械で一気に押し出していく様子は大迫力。
「酪農」という言葉から私が想像していた世界はほんの一部だったのだと実感しました。
良い牛乳は、土づくりから。
バンカーサイロには山盛りの餌がありました。そこで聞いた言葉が印象に残っています。
「良い牛乳には餌づくり、よい餌づくりには土づくり」
土には、牛糞を堆肥につかう。その土で飼料となる植物を育てる。その餌を牛が食べて乳をつくる。そして、その牛の糞がまた堆肥になる。


ひとつひとつの工程がつながっていて、牧場の中で循環しているんだなと感じました。
循環していることで、自分たちの行っていることを振り返ることができるのかなと思いました。
愛おしくなる子牛の哺乳
見学が終わったあとは、いよいよ体験へ!
まずは子牛にミルクをあげるお仕事を体験をさせていただきました。
母牛のミルクは人間が牛乳として飲むため、子牛は基本的に粉ミルクを飲みます。
しかし生まれてすぐの子牛は初乳によって母牛からの免疫を受け取る必要があるため、あらかじめ絞っておいた初乳を牛の体温くらいに温めなおして与えます。

今回は本当に生まれてから1日も経っていなかったからか、座ったまま。私も座り込み、子牛の口を手で開けて哺乳瓶を入れるのですが、「どのくらいの力でやっていいのかな、、」と、どきどきしました。
途中から飲まなくなってしまい、社員さんが交代してくれました。「この子はもうお腹いっぱい」「この子は暴れる」そんな風に、それぞれの様子を見て判断する姿は、プロフェッショナルでかっこよかったです。

そして、ミルクをあげているときに、子牛の頭を上から見るアングルがとてもかわいい。ごくんごくんと一生懸命ミルクを飲む姿はとても愛おしく感じました。
思わず、「たくさん飲んで、大きくなってね」と考えました。
子牛たちのこの先
でも、そう思ったとき、「この子たちは、この先どうなるんだろう」と考えました。
以前、私の地元の畜産農家のお手伝いをしたことがあります。中学生のとき、肉牛を連れて、屠殺を見学したときのことを思い出しました。
「かわいい」と撫でていたその場所に、最後は意識を失わせる道具を当てる。
かわいいと思う気持ちの一方で、私たちが消費しているという現実。
とても複雑な気持ちになります。

食べるか食べないか、ここで、その答えを出せるわけではありません。
ずっと考え続けているからです。
以前、ホテルでアルバイトをしていたとき、まだ食べられる食品がたくさん当たり前のように毎日捨てられていました。
命をいただいているはずなのに、その命が知られないところで無駄になっている。1日中暗い気持ちになりました。
このような経験から、知らないことの罪深さを考えるようになりました。改めて今回、いただいている命の背景を知ることには意味があるのではないかと思いました。

牛乳を飲む。お肉を食べる。私たちの当たり前には、生きている牛がいて、その牛と毎日向き合っている人がいる。改めて命をいただくとはどういうことなのか、考える機会になりました。
身体への負担は大きい?小さい?
次に搾乳の機械であるロータリーパーラーでの作業です。
搾乳は7人ほどで分担しています。
私は、水で汚れを流す、拭き取る、前絞りをする、搾乳の機械を取り付けるという一連の作業を体験しました。

その作業を担当する人は4人ほど。とても素早く作業をしていきます。一方で私は時間がかかってしまいました。それでも、社員さんがしっかりサポートしてくださり、声もかけてくださいました。初めての私にも自然に手を差し伸べてくれました。
ロータリーパーラーでは牛が機械に乗って、回ってきてくれます。
何度もしゃがんだり、手を伸ばしたりする必要がありません。
大規模だからこそ工場のように人の負担を減らせる工夫があるのだと体感しました。
大きな生き物の操作をしているみたい!
搾乳体験が終了して、最後に機械の作業を見せてもらいました。
牛糞堆肥を運ぶ作業では、ホイールローダーを使います。
前に大きなバケットがあって、牛糞を運ぶ機械です。
そして、その牛糞堆肥を畑に撒くためのマニュアスプレッダーに積み込みます。下から見ると、とても高い車高。はしごを登って運転席へ向かいます。

最初は横のスペースに乗せてもらって、操作を見せてもらいました。すると、「じゃあ、乗ってみな」と言ってもらい、少しだけ運転させてもらうことに!
自分の何倍もある車体を動かすので、空間を把握するのに苦労しました。まるで大きなロボットの中に入って操作しているような感覚でした。ランドハートではこうした機械を運転できるようになるための免許取得費用を支援してくれます。働きながらできることが増えていくのはうれしいなと思います。
そして、使った機械をきれいにします。汚れがたまって取れなくなる前に片付ける。牧場というと、いい意味で「おおざっぱで、細かいことを気にしない」ようなイメージがありました。でもランドハートさんには、そのおおらかさの上に、「気持ちよく働くための繊細さ」がありました。
効率と丁寧さ
1300頭という大きな規模だからこそ、大きな機械や、編み出された仕組みで効率よく仕事をする。その一方で、牛の様子を見たり、汚れに気づいたら掃除したり、一つひとつのことを丁寧に行う。その両方があることが、印象的でした。
もうひとついいなと思ったことがあります。地元で生産した牛乳が、「自分たちが生産した牛乳」だとわかる形で消費者に届けられることです。

「生産する人」と「食べる人・飲む人」が、少し近くなるような感覚がありました。自分たちの仕事が、誰かの食卓につながっている。それを実感できることは、仕事のやりがいにもつながるのではないかなと思います。
そして、牧場あるあるなのか、かわいい猫さんもいました。とても人懐っこくて、仕事の合間に癒やされました。

快く体験を受け入れて入れてくださったランドハートさん、優しく作業をサポートしてくださった社員さん、本当にありがとうございました。そして今回、私を担当してくださった小山さん。仕事を教えてくださっただけではありません。夜にはご家族とともにお家に招いてくださったり、遠くにあるおすすめのお店でご飯まで食べさせてくださったりしました。さらに、浦幌神社の神輿祭りの神輿会にも誘ってくださり、参加させていただきました。たくさんの学びと思い出をありがとうございます!
ランドハートは現在正社員を募集しています。
繊細さが行き届いた酪農現場で働くことに興味がある人はぜひお問い合わせください。
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